入浴剤は「何のために使いたいか」を決めてから種類を選ぶと、失敗しにくくなります。あわせてパッケージの「医薬部外品」「化粧品」の表示を見ると、うたえる効能の違いがわかります。この記事では、目的別・種類別の選び方と、消費者庁が示す湯温と入浴時間の目安を紹介します。
入浴剤は「医薬部外品」と「化粧品」に分かれる
入浴剤のパッケージには「医薬部外品」または「化粧品(浴用化粧料)」などの表示があります。この2つは、法律上の位置づけと表示できる効能の範囲が異なります。
| 区分 | 位置づけ | 表示できる効能の例 |
|---|---|---|
| 医薬部外品(薬用入浴剤) | 厚生労働大臣が指定する「浴用剤」として、製品ごとに承認を受ける | 疲労回復、肩のこり、腰痛、冷え症、あせも、荒れ性、しもやけなど |
| 化粧品 | 製造販売の届出で販売できる。効能表現は定められた範囲内 | 肌をすこやかに保つ、うるおいを与えるなど、化粧品の範囲の表現 |
厚生労働省の通知では、医薬部外品の浴用剤の効能として、疲労回復、肩のこり、腰痛、冷え症、神経痛、あせも、荒れ性、しもやけ、ひび、あかぎれ、湿しん、にきび、産前産後の冷え症などが挙げられています。実際に表示されている効能は製品によって違うため、パッケージで確認しましょう。
「医薬部外品」は医薬品ではありません。症状が続くときや悪化するときは、入浴剤で対処しようとせず医療機関に相談してください。
入浴剤の主な種類と特徴
入浴剤は、主な成分によっていくつかのタイプに分けられます。メーカーの解説をもとに、代表的なものをまとめます。
| 種類 | 主な形状 | 特徴 |
|---|---|---|
| 炭酸ガス系 | 錠剤・顆粒(シュワシュワ発泡する) | 湯に溶けた炭酸ガスが温浴効果を高め、血行を促すとされる |
| 無機塩類系(バスソルトなど) | 粉末・結晶 | 塩類が肌の表面に膜を作り、湯上がり後も温かさを保ちやすい |
| 薬用植物系(生薬系) | 粉末・刻んだ生薬 | 配合する植物によって特徴が異なり、香りも楽しめる |
| スキンケア系(バスオイル・ミルクなど) | 液体・粉末 | 保湿成分を配合し、湯上がりの肌のうるおいを保つ |
| 清涼系 | 粉末・錠剤 | メントールなどでスッとした使用感。夏向き |
炭酸ガス系
湯に入れると発泡するタイプです。メーカーの製品情報では、湯に溶け込んだ炭酸ガスが温浴効果を高め、血流を促すと説明されています。泡が消えた後も湯の中に炭酸ガスが溶けているとする製品もあります。
無機塩類系・バスソルト
硫酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどの塩類を配合したタイプです。湯冷めしにくさを重視したい人に選ばれています。なお「バスソルト」という名前でも、医薬部外品のものと化粧品のものがあります。
スキンケア系・バスオイル
保湿成分やオイルを配合したタイプです。湯上がりの肌の乾燥が気になる人に向いています。
オイルを含む入浴剤は、浴槽や床がすべりやすくなる場合があります。出入りのときは足元に注意し、使用後は浴槽を洗っておきましょう。
目的別の選び方

保湿を重視したい
- スキンケア系(バスオイル・ミルク)や、保湿成分配合と表示されたものを選ぶ
- 医薬部外品なら、効能に「荒れ性」の表示があるものが目安になる
- 湯上がりはすぐに保湿ケアをすると、乾燥を防ぎやすい
リラックスしたい
- 好みの香りを選ぶ。香りの種類は製品ごとに幅広い
- ぬるめの湯にゆっくりつかる
- 照明を落とす、スマートフォンを持ち込まないなど、環境も整える
あるメーカーの解説では、38〜40℃程度の湯は心身を落ち着かせ、42℃前後の熱めの湯は目を覚まさせる方向に働くとされています。リラックス目的なら、ぬるめが基本です。
体を温めたい・汗をかきたい
- 炭酸ガス系や無機塩類系が選択肢になる
- 医薬部外品なら、効能に「冷え症」「疲労回復」の表示があるものが目安
- 汗をかいたら、入浴前後に水分をとる
「発汗」をうたう製品でも、熱い湯に長くつかるのは体に負担がかかります。次の章の目安を守りましょう。
入浴の温度と時間の目安

消費者庁は、入浴中の事故を防ぐための注意として、次の目安を示しています。
- 湯温は41℃以下
- 湯につかる時間は10分までを目安にする
このほかにも、次のような注意が挙げられています。
- 入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく
- 湯につかる前にかけ湯をする
- 浴槽から出るときは、手すりや浴槽のふちを使ってゆっくり立ち上がる
- 食後すぐ、飲酒後、睡眠薬などを飲んだ後、体調が悪いときは入浴を控える
- 入浴前に家族などに声をかける
この注意は特に冬の高齢者の事故を想定したものですが、湯温と時間は年代を問わず参考になる目安です。
入浴剤を使うときの注意
- 製品の表示どおりの量を使う
- 複数の入浴剤を混ぜて使わない(製品の注意書きで禁止されていることが多い)
- 浴槽の素材や追いだき機能によっては使えない製品があるので、表示を確認する
- 肌に赤み、かゆみ、刺激感が出たら使用をやめ、医師に相談する
- 子どもの手の届かない場所に保管し、誤って口に入れないよう注意する
- 炭酸ガス系は、発泡している錠剤に顔を近づけない
おうちのバスタイムに、サロンのケアをプラス
入浴剤で毎日のリラックスタイムを整えつつ、ときにはプロのボディケアやフェイシャルを受けるのも気分転換になります。
まとめ
- 入浴剤は「医薬部外品」と「化粧品」で、表示できる効能の範囲が違う
- 炭酸ガス系、無機塩類系、薬用植物系、スキンケア系、清涼系など種類ごとに特徴がある
- 保湿ならスキンケア系、リラックスならぬるめの湯と好みの香り、温まりたいなら炭酸ガス系などが目安
- 湯温は41℃以下、湯につかる時間は10分までが消費者庁の示す目安
- 使用量や併用禁止など、製品の注意書きを必ず確認する
参考
- 冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください!(消費者庁):https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_042/
- 浴用剤製造販売承認申請書作成上の留意点等について(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/yokuyou_ryuui.pdf
- 化粧品・医薬部外品の手引き(福岡県):https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/296776.pdf
- 入浴剤の種類と特長について(アース製薬):https://www.earth.jp/ofuro/bath-agent/001/index.html
- 疲労回復には炭酸ガス系入浴剤がおすすめ(アース製薬):https://www.earth.jp/ofuro/bath-agent/010/index.html
- バブ メディキュア 製品情報(花王 My Kao Mall):https://www.kao-kirei.com/ja/item/khg/bub/4901301348722/

